東京で車は買わない方が得?Tesla Model Y L・LEXUS RX・タイムズカーを5年間比較

Tesla Model Y Lが気になっている。でも同じ価格帯ならLEXUS RXも魅力的だ。さらに新宿区に住んでいると、そもそも車を買わずタイムズカーでよいのでは?という疑問も出てくる——。今回はこの3択を、車両価格だけでなく補助金・税金・保険・駐車場代・リセールまで含めた「5年間の総所有コスト(TCO)」で比較してみます。
比較するのは次の3パターンです。
- Tesla Model Y L(購入・5年保有)
- LEXUS RX350h version L AWD(購入・5年保有)
- タイムズカー(カーシェア、月6回利用がベースケース)
車両価格 → 補助金 → 維持費 → 保険 → リセール → 東京最大の問題「駐車場」 → タイムズカー → 損益分岐点、という順番で見ていきます。
車両価格を比較する
まずはベースとなる車両価格です。
| Tesla Model Y L | LEXUS RX350h version L AWD | |
|---|---|---|
| 車両価格 | 約749万円 | 約811万円 |
| 補助金(後述) | 最大約197万円 | なし |
| 実質購入負担の目安 | 約552万円 | 約811万円 |
車両価格だけを見るとTeslaの方が安く、補助金を差し引いた実質負担ではさらに差が広がります。ただし、これはあくまでスタート地点にすぎません。
補助金について(Tesla Model Y L)
Tesla Model Y Lは、国のCEV補助金と東京都のZEV補助金を組み合わせて受け取ることができます。
- 国のCEV補助金:最大127万円(Model Y / Model Y Lともに、V2H=給電機能非対応のため満額区分ではない金額)
- 東京都ZEV補助金:条件により変動しますが、本記事では約70万円と想定します(東京都は2026年7月以降、EVの補助上限を最大130万円に引き上げましたが、上限額はメーカーごとの評価やV2H・再エネ設備の有無で変わるため、Teslaが必ず上限額を受け取れるとは限りません)
合計すると、実質購入負担は約552万円という想定になります。
⚠️ CEV補助金には保有義務があります。国のCEV補助金は登録から4年間の保有が原則で、期間内に売却・下取りする場合は財産処分の手続きが必要です。5年間の保有を前提とする本記事の試算では、この保有義務は満たしています。
(参考)過去のスーパーチャージャー無料キャンペーンについて
Teslaは過去に「購入から3年間スーパーチャージャー使い放題」といったキャンペーンを実施していた時期があります。これは現在購入する場合の基本計算には含めていませんが、参考として、キャンペーン対象期間に購入していた場合の影響を試算すると、本記事の充電費想定(年間約5万円)から計算しておよそ15万円程度(3年分)のコスト減になっていた可能性があります。あくまで過去の参考シミュレーションであり、現在の購入には適用されません。
年間の維持費を比較する
補助金の話が終わったところで、次は毎年かかる維持費です(駐車場代は次のセクションで別に扱います)。
| 項目 | Tesla Model Y L | LEXUS RX350h |
|---|---|---|
| 任意保険(想定) | 約15万円/年 | 約12万円/年 |
| 自動車税 | 約2.5万円/年(EV優遇) | 約43,500円/年 |
| 燃料・電気代 | 約5万円/年(充電) | 約9.7万円/年(ハイオク想定) |
| メンテナンス(基本) | 約5万円/年 | 約6万円/年 |
| 車検・法定費用(3年目) | 約12万円 | 約15万円 |
| タイヤ等消耗品(3年目目安) | 約8万円 | 約9万円 |
任意保険は30代・過去事故なし・車両保険ありという条件を想定しています。LEXUS RX350hの燃料費は、WLTC燃費約18.7km/L・年間10,000km・ハイオク181円/L(2026年8月の東京都平均目安)で計算しています。
自動車税は、EVであるTeslaが優遇される一方、LEXUS RX350hは2.5Lエンジンを搭載しているため、グレードによらず一律43,500円/年です(RX450h+のみ翌年度に軽減特例があります)。
リセール(5年後の売却価格)を比較する
ここがTeslaとLEXUSの評価が大きく分かれるポイントです。
- Tesla Model Y L:5年後残価率は40%と想定。売却価格は約300万円
- LEXUS RX350h:5年後残価率は60%と想定。売却価格は約487万円
一般的に、LEXUS RXはTeslaより残価率が高い傾向にあるといわれています。プレミアムSUVとしてのブランド力や、モデルチェンジの頻度、中古車市場での安定した需要が背景にあると考えられます。
ただし、これはあくまで本記事のシミュレーション上の仮定です。5年後の実際の中古車相場は、モデルチェンジのタイミングや市場全体の需給、EVの技術進化スピードなど不確定要素が多く、断定はできません。一方でTeslaは、値落ちが大きくても購入時点の補助金がその差をある程度吸収している可能性がある、という見方もできます。
東京最大の問題、「駐車場」
ここまでは車両価格・補助金・維持費・リセールを見てきましたが、東京で車を持つ場合、実はガソリン代や充電代以上に効いてくるのが駐車場代です。
新宿区の月極駐車場相場は、駐車場情報サイトの掲載相場を参考にすると月額約33,727円が目安です。これを年間・5年間に直すと、次のようになります。
- 年間:33,727円 × 12ヶ月 = 404,724円
- 5年間:404,724円 × 5年 = 約202万円
Tesla・LEXUSどちらを選んでも、5年間で約200万円もの駐車場代が発生する計算になります。これはTeslaとLEXUSの車両価格差(約62万円)や、燃料費と充電費の差(5年間で約23万円)よりもずっと大きなインパクトです。新宿区で車を持つ最大級の固定費は、実は駐車場代だといえます。
5年間のキャッシュフローで見る
「いつ、何に、いくら払うのか」を時系列で見てみます。支出はマイナス、補助金・売却額はプラスで表示しています(駐車場代は新宿区の想定額で計算)。
| 購入時 |
| -552万円 |
|---|---|---|
| 1年目 |
| -68万円 |
| 2年目 |
| -68万円 |
| 3年目 |
| -88万円 |
| 4年目 |
| -68万円 |
| 5年目 |
| +231.6万円 |
| 購入時 |
| -811万円 |
|---|---|---|
| 1年目 |
| -72.5万円 |
| 2年目 |
| -72.5万円 |
| 3年目 |
| -96.5万円 |
| 4年目 |
| -72.5万円 |
| 5年目 |
| +414.1万円 |
5年間の累計コスト推移
上記のキャッシュフローを累計で見ると、TeslaとLEXUSは購入時に大きく支出し、5年目に売却でコストが下がる「谷」ができます。一方、タイムズカーは購入という大きな支出がない代わりに、コストが直線的に積み上がっていきます。
5年間の総コスト比較(ベースケース)
新宿区の月極駐車場(月額33,727円)を含めた、5年間の総所有コストのベースケースをまとめると次のとおりです。
月額換算すると、Teslaは約10.2万円/月、LEXUSは約11.9万円/月、タイムズカー(月6回利用)は約5.4万円/月という試算になります。TeslaとLEXUSの差(約99万円)よりも、東京では駐車場代そのもののインパクト(約202万円)の方が大きい、というのが本記事のひとつの発見です。
※ 上の図は内訳のイメージをつかむための要約図です。保険料・整備費の丸め方など一部の前提が本文の試算と異なるため、金額は上記のグラフ・キャッシュフロー表の数値を正としてご覧ください。
タイムズカーの料金体系
ここからは、比較の第3の選択肢「タイムズカー」(カーシェアリングの「タイムズカー」。レンタカーではなくカーシェアサービスです)を詳しく見ていきます。
タイムズカーのベーシッククラスは、次のような料金体系です(2026年8月時点の公式情報)。
- 個人プラン月額基本料金:880円(利用料金に充当される「無料利用料金」)
- 24時間パック:6,600円
- 距離料金:20円/km(時間料金利用時は、利用ごとに最初の20kmは無料)
ベースケース(月6回利用、1回あたり約23時間20分・約139km)で計算すると、月額は次のようになります。
- 24時間パック:6,600円 × 6回 = 39,600円
- 距離料金:(139km − 20km)× 20円 × 6回 = 14,280円
- 合計:約53,880円/月(月額基本料金880円は利用料金に充当済み)
年間では約64.7万円、5年間では約323万円という計算です。
タイムズカーとの損益分岐点
ここまでの数字を踏まえて、最大の疑問に答えます。タイムズカーを月何回利用すると、自家用車を持った方がお得になるのか?
以下のシミュレーターで、利用頻度や駐車場代、残価率などを自由に変えながら確認できます(スマートフォンからも操作できます)。このシミュレーターはTOOLSページ単体でも利用できるので、条件を変えて何度も試したいときはそちらもご活用ください。
Tesla Model Y L(5年間)
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LEXUS RX350h(5年間)
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タイムズカー(5年間・現在の設定)
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グラフの横軸は月間利用回数(0〜15回)。タイムズカーの線は「1回あたり利用時間・走行距離」を固定した比例モデルで、Tesla・LEXUSの線は5年間の実質所有コストを60ヶ月で割った定額です。
ベースケースの前提(1回あたり約23時間20分・約139km、新宿区駐車場33,727円/月、Tesla残価率40%・LEXUS残価率60%)で計算すると、
- Tesla Model Y Lとの損益分岐点は月11〜12回(月11回以下ならタイムズカーが得、月12回以上ならTesla所有が得)
- LEXUS RX350hとの損益分岐点は月13〜14回(月13回以下ならタイムズカーが得、月14回以上ならLEXUS所有が得)
という結果になりました。月6回程度の利用であれば、タイムズカーの方がはっきりと安く、利用頻度が上がるほど所有とのコスト差は縮まっていきます。
この記事で伝えたい結論
単純に「タイムズカーが一番安い」で終わらせず、構造として整理すると次のようになります。
- 東京で車を所有する最大級の固定費は駐車場代。新宿区では5年間で約200万円にもなる
- LEXUSはリセールが強いが、Teslaは補助金・税制・燃料費で有利なポイントが多い
- Teslaはリセールが弱くても、購入時の補助金が値落ちをある程度吸収している可能性がある
- タイムズカーは利用頻度が低いほど圧倒的に有利
- しかし利用頻度が上がると所有とのコスト差は縮まり、月11〜14回程度で逆転する
住宅購入と賃貸の比較にも似た構造で、「初期費用・固定費 vs 都度払い」というトレードオフです。同じ考え方の住宅購入 vs 賃貸シミュレーターもあわせてどうぞ。東京の実データを使った分析はDATA LABでも公開しています。
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本記事の試算条件
本記事は購入判断の参考となるシミュレーション記事です。将来のリセール価格・保険料・燃料価格・電気料金・補助金額などを保証するものではありません。主な前提条件は次のとおりです。
- Tesla Model Y L車両価格749万円、CEV補助金127万円、東京都ZEV補助金は条件により変動するため約70万円と想定
- LEXUS RX350h version L AWD車両価格811万円
- 任意保険はいずれも30代・過去事故なし・車両保険ありを想定した目安額
- 年間走行距離10,000km、LEXUSのWLTC燃費18.7km/L、ハイオク181円/L(2026年8月東京都平均目安)で試算
- 車検・法定費用・メンテナンス・タイヤ等の消耗品費は一般的な目安をもとにした試算値
- 5年後の残価率はTesla40%・LEXUS60%と仮定(シミュレーター上で変更可能)
- タイムズカーはベーシッククラス・個人プラン・月6回利用(1回あたり約23時間20分・約139km)を基準ケースとして試算
- 23区の月極駐車場料金マップはPark Directの2025年データをもとにした平均相場であり、実勢相場は立地・設備により変動する
参考・出典
- Tesla Model Y L 日本発売情報(EVsmart Park)(閲覧日: 2026年8月29日)
- Tesla 公式 補助金情報(閲覧日: 2026年8月29日)
- 令和8年度 東京都ZEV車両購入補助金(東京都)(閲覧日: 2026年8月29日)
- レクサス RX350h version L AWD カタログ情報(価格.com)(閲覧日: 2026年8月29日)
- レクサスRXの自動車税・維持費(COBBY)(閲覧日: 2026年8月29日)
- タイムズカー 利用料金(公式)(閲覧日: 2026年8月29日)
- タイムズカー 月額基本料金(公式)(閲覧日: 2026年8月29日)
- 新宿区の月極駐車場相場(Park Direct)(閲覧日: 2026年8月29日)
- 東京都のガソリン価格推移(新電力ネット)(閲覧日: 2026年8月29日)
推定値・仮定値は上記出典から直接得られるものではなく、「本記事の試算条件」セクションにまとめたとおり、本記事独自の試算であることにご留意ください。
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HOBNOVA編集部
キャンプ・ガジェット・データ分析・デジタルマーケティングなど、好奇心の赴くままに「試す」「調べる」「分析する」HOBNOVAの編集チームです。
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